この絵は精神病院の隔離室に居た時の父を記憶で描いたものです。数年前に私の父は認知症に成りました。妄想がひどく私を私のそっくりさんと思って敵対し始めました。それで私から持病の薬や弁当などを受け取らなくなったり、徘徊もひどくなりました。時には暴れてどうしようもなくなり、仕方なく精神病院に緊急保護入院させました。
その頃は認知症がこれほどひどいものだとは知らず、どうしていいか分からなくて、精神的に疲労困憊しました。それで何度か赤信号なのに無意識に車を侵入させそうになって、ハッと気づいてひやっとするなどしました。私自身、限界に近づいていて、入院させた最初の頃はホッとしました。
しかし、入院後、面会に行くとトイレと薄っぺらい敷物だけで、天井からは監視カメラが付いた隔離部屋に隔離・施錠されてました。面会に行くたびに隔離されていて、こんな所に隔離されてれば正常な人でもおかしくなると思って、見つける度に出してくれと頼んで出させました。
その後、歩けるのに車いすに拘束し始め、なおかつ、その車いすごと壁に括りつけられてました。何度もリハビリで歩く時間を取ってとお願いしましたが出来ないとの事で、仕方なく一日おきに私が介助してリハビリで１～２時間歩かせました。その間は元気だったのですが、その内コロナが流行し始め、病院も面会謝絶でリハビリ出来なくなりました。
面会できずリハビリできなければ、また拘束し放題されて体が弱り、すぐに寝たきりになってしまうと思ってたところ、思った通り２～３か月で父は寝たきりに成ってしまいました。それから約１年後に父は誤嚥性肺炎などで亡くなりました。
なぜこんな非人道的な病院を見限って、違う病院や施設にもっと早く転院させてあげなかったのか？コロナで会えなくなった時点ですぐにそうしてあげてれば、今も元気だったかもしれないと物凄く悔やみました。今もそれはトラウマで事あるごとに悔やんでいます。親父を殺したのは精神科の医者で有り、それを見過ごした私でもあります。よほど虐待として訴えてやろうかと思いましたが、それを見過ごして転院させなかった私も同罪だと思いやめました。
日本の精神病院は問題さえ起こさなければいいという安易な考えから、薬や隔離・拘束に頼り過ぎています。表面的に大人しくさせて手を掛けさせないことを主眼とし、本人のことなど考えていません。もっと違うやり方が有るはずです。とても遅れた精神医療だと思います。