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見て描く絵と想像して描く絵

子供は見て描かない。自分の子供の頃を思い出しても、見て描いて無かった。頭の中にあるイメージ(車は四角と丸いタイヤ、空や海は青みたいな概念)を描いてた。見て描くようになるのは、小学校の図画で写生を始めてから。今でも観ずに描くと子供の絵に近づく。

見て描くのは、写経と同じで意外に無心な事が有る。普通の人は、見ずに描く抽象画の方が意図的(こうしようああしよう)になりがち。しかし、イメージが降りてくる天才(草間彌生など)は、多分、抽象画でも意図的にならない。それはイメージを描き写してるようなものだから。

子供はまだ経験が浅いので、車なら車の固定イメージ(概念)が四角に丸いタイヤみたいに単純。しかし、観て描くことを繰り返してる内に、概念が上書きされていき、やがて見なくてもリアルに近くなる。でも、子供のような面白い絵では無くなる。

ピカソは、大人になるにつれ、上書きされて出来上がった固定概念を壊して、子供のような面白い絵を描こうと思ったのじゃないか?大人でも途中で写生的な絵を頑張らなかった人は、概念の上書きがされておらず、大人でもヘタウマな面白い絵を描く人が居る。

頭の中に出来あがった固定概念のイメージ(人の顔とか)は、記憶として神経回路が出来上がってるので、変えることは難しい。だから、一人の人が描く絵は、毎回、同じようなものになってしまう。それを個性と言ったりする。

絵を描き始めた頃、想像で描いた絵(私のアイコンがそう)は、へのへのもへじみたいだった。私の顔の概念はこれだったから。同じ様なのしか思い浮かばず、行き詰まり写真模写を始めた。でも、出来たのが写真と同じじゃ、写真で良いじゃんと思った。そして今に至る。

別に写真模写をしたいわけじゃない。出来る事なら、イメージで描きたい。でも、私のイメージは固定されていて、同じようなのしか描けない。それでは行き詰るので、イメージは外に借りて、写真模写をしているだけ。イメージが降って来る天才が羨ましい。



| 22:29 | 未分類
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